ほかにも3カ月マネジメントの効用はある。「たとえば旅行、友人との会話、仕事のプロジェクトなど、ここ3カ月間の出来事を振り返ることで異質なものが結びついて新しいアイデアが生まれる。知識を身につける学習も大切ですが、自分の感情の赴くままに旅行や趣味を楽しんで、3カ月後に振り返ることで得られる発見は大きい」。

<strong>小山龍介</strong>●京都大学文学部卒業。大手広告代理店勤務を経て、サンダーバード国際経営大学院でMBA取得。現在、松竹プロデューサー。最新刊に『iPhone HACKS !』。
小山龍介●京都大学文学部卒業。大手広告代理店勤務を経て、サンダーバード国際経営大学院でMBA取得。現在、松竹プロデューサー。最新刊に『iPhone HACKS !』。

目標や計画を立てたらそれをこなすことに一生懸命になりがちだが、振り返って初めて学習になることもある。長い人生を考えると、行動を振り返る習慣は人の成長を大きく左右する。

世の中の動きも、3カ月単位で振り返るとよく見えるという。「サブプライム問題が顕在化した直後の3カ月は人の心が動揺していたけれども、次の3カ月は少し落ち着いてきたというふうに、人々の心の変化に気づきます。これは1カ月単位で物事を捉えていると見落としてしまう変化です。今の時代、半年先まで予測することは難しいですが、このやり方で3カ月先を考えることはできます」(小山さん)。

年間の長期目標と、日や週単位の短期目標をきちんと立てても、振り返ったり、計画を見直すことなく1年を過ごしていては途中で挫折して長期目標にたどりつかないし、変化に応じて方向性を変えていくことができない。

まずはこの春からの3カ月で何をしたいかを考え、長期目標と短期目標の間に「3カ月」という絶妙な布石を置いてみてはいかがだろうか。

(相澤 正=撮影)