ANA社員が常時携行する「社外秘」冊子
ANAグループは、世界の航空会社の機内サービスの評価で、2年連続5つ星(ファイブ・スター)を獲得している。サービスの最前線にいる現場スタッフの士気も高い。
※「接客好感度ランキング」その他サービス http://president.jp/articles/-/13536)
「ANAのCAは、とにかく、お客様のこと、お客様のことと常に考えていますから。よく他社のCAから『まるで、ANA教信者ね』と皮肉られたりします」と現役CAは言う。
CAを含むクルーメンバーは、フライトの前に、「プリ・ブリーフィング」、搭乗後に「デ・ブリーフィング」と呼ばれるミーティングを行う。一般に、後者は短く済まされることも多いが、ANAの場合は、何も問題がない場合でも、最も経験の少ない入社したてのCAから、当日のフライトで目標としていたサービスのどこができなかったか。その結果どう対応したかを発言させ、彼女たちと年齢の近い若いCAにアドバイスさせる。
「新人に教えることで、自分たちも改めてサービスの基本について理解を深めるのが狙いです」と別の現役CAも言う。
こうした風通しのいいANAの機内サービスの原典となっているのが、社員が常に携行を義務付けられている、「ANA Book」と呼ばれる小冊子だ。
「空の安全を大前提に、安心で温かで明るいサービスの心得が写真入りでわかりやすく説明されていて、読むたびに初心に帰った気持ちになります」とベテランCA。何度でも繰り返し読んだであろう小冊子の表紙が、CAたちの5つ星の勲章だ。