重要なのは、先に相手の話をきちんと聞くこと
こちらに伝えたいことがある場合も、やはり重要なのは、先に相手の話をきちんと聞くこと。
「私顔色悪くないですか。夜寝られないんですよ。いえね、不眠症ってわけじゃなくて、ほら、お隣の赤ちゃん、元気なのはいいのよ。ただ夜泣きがひどくて。あれ絶対ストレスだと思うのよね、だって聞いてよ……」
あなたが営業に訪れた家のおばさんが、いきなりこんな話を始めたらどうしますか。「まいったな、こっちは商品の説明をしたいのに。この話早く終わってくれないかな」と、さもつまらなそうな顔で突っ立っているようでは、いい営業パーソンにはなれません。
「赤ちゃんの泣き声ってけっこう響きますからね。で、夜中に何回ぐらい……3回も、それはたまらないな」
そういうときはこういった具合に、たとえ自分に関係ない内容であっても、話をおもしろがって聞いてあげるのが正解でしょう。
人は一方的にしゃべっていると、だんだんと「自分だけが話をしてなんだか悪いな」という気になってきます。ましてやそれまで自分の話を楽しそうに聞いてくれていた人に対しては、マイナスの感情は持ちませんから、今度はこっちが聞いてあげようという流れに自然となるのです。
それから、話を聞くときは、相づちを疎かにしないこと。こちらが話しているのに、全く反応がない人がたまにいますが、こういう人が相手だと「この人聞いてくれているのかな」「ひょっとして私の話がつまらないのかな」と不安になって、話を続ける気持ちが萎えてきます。かといって、大げさすぎる相づちは不自然だし、息継ぎのたびにいちいち「はい、はい」とやられるのもうるさいだけです。相づちは、言ってみれば、あなたの話を誠実に聞いているという合図なので、自然体が一番いいと思います。