見知らぬ異業種の人との話が弾む弾む!
そして5分もかからずに到着したのは、空港整備場。受付をして中に案内されると、巨大な飛行機の翼が目に飛び込んできたと同時に、重低音で響くロックが聞こえてきた。
間近で目にする飛行機の姿に、あちこちから歓声が上がる。大人の社会科見学とはよく言うが、今回はアフターパーティーの会場なのだ。
飛行機の翼のすぐ下にはビーンズクッションが置かれていて、そこに寝そべりながらワインやビールを楽しむ人々。オードブルや、機内食のメニューなども並んでいる。
企業イベントにつきものの長いスピーチも座席表もない。もちろん名刺や肩書きを書いたような名札も一切ない。飲み物や食べ物を片手に歩き回ったり、寝そべったりしながら、参加者同士交流を楽しむ場所なのだ。
とはいえ、どんなタイミングで誰に話しかけたらいいものか一瞬戸惑うが、「どんな縁で、今日TEDxHanedaに参加したのか?」というような話から、自分が今関わっている仕事やプロジェクトなどを話へ。気づくと、そこで出会ったアメリカ人アーティストとは、なぜその仕事や日本という国にたどり着いたのかという話までしてくれ、生い立ちの話にまで深まっていた。そうして、1人と話が始まると次々と輪が広がっていった。
ところが、そんなパーティが佳境に入った頃、突然、ぴたっと音楽が止まった。
何事かと思ったら、整備場の滑走路側の巨大なシャッターがすすすーっと上がり始めるではないか。飛行機の背後に広がったのは、ブルーからオレンジへと変わりつつある美しい夕焼け。そのタイミングを見計らってシャッターを開けるという、ニクいほどの演出に拍手が沸き起こった。
第1回目のTEDxHanedaの成功を参加者に明確に印象付けた瞬間でもあった。
(岩辺みどり=写真)