どうやったら親と「就活」を話せるか?

エンディングノートの説明をしていて、よく相談されるのが「親にエンディングノートを書いてもらいたいけど切り出せない」「親にエンディングノートを渡したけど書いてもらえない」という悩み。

さぁ、どうすればよいのでしょうか。これは本当に難しい問題です。

親が墓についてどう考えているのか、葬儀についてどう思っているのか、子どもからすると聞いておきたいことは山ほどあります。いざという時に、親の考えが分からないで悩むのは子どもなので、親の考えを事前に聞いておきたいという気持ちは大変よく分かります。

『もしもの時に安心! エンディングノート』(監修・武内優宏、プレジデント社刊)

まず、エンディングノートを書いてもらうことの切り出し方ですが……。

これは、親にエンディングノートを書いてと伝えると「私を殺すのかと言われそう」「相続財産を目当てにしていると思われそうなのでなかなか切り出せない」との悩みがほとんどです。

確かに今までは、「死」の話はなるべく避けたいというイメージはありました。

しかし、最近は「終活」という言葉もだいぶ定着してきています。終活とは、人生の「終焉」を見つめ、準備することで今をよりよく生きようという活動のことですが、この終活という言葉が定着してくれたおかげで、以前よりもだいぶ死の話題がタブーではなくなりました。

実のところ、ご年配の方々の多くが「終活ライフ」を楽しんでいます。

さまざまな種類の墓を見学するバスツアーや、模擬散骨などに参加する方も多いですし、葬儀社では納棺体験といって、棺桶の入り心地を体験するイベントや死装束の試着会なども開催されており、かなりの盛況となっています。

多くの人が思っているほど、高齢者の間で死がタブー視されていなくなってきているのです。

案外、エンディングノートのことを切り出してみたら、既に書いてあったり、書きたいと思っていたりすることもあると思います。