使うのは、みな同じテクニック
メイヤー氏は、ビル・クリントンがモニカ・ルインスキーとの関係を否定する会見の映像を例に取っていた。たとえば英語で否定の際にはdidn’tと省略形を使うものを、did notとやや「形式ばった言い方」をしている。これは、否定しようと意気込んでいるからだ。さらに“あの女性”という「距離を置く言葉」を使っている。嘘をつくとき、人は無意識に嘘の対象について距離を置く言葉を使おうとし、必要以上の詳細な説明をする。そして「本当のことを言うと」「率直に言って」など表現で信憑性を高めようとする。ところがこうした表現は、むしろ話の信憑性を低くするという。
嘘のテクニックをまとめると、こんな傾向が見られそうだ。
・否定を強調するために、形式ばった表現を使う。
・嘘の対象と距離を置く言葉を使う。
・「率直に言って」など信憑性を高めるための修飾が多く見られる。
・必要以上に細かいことを説明したがる。
言葉尻を見ていくと、嘘である兆候がそこかしこに現われる。何か言い訳をしているときには、ここからすぐに見破れるだろう。では、身振りや表情はどうだろうか。