希望が叶い、人事部へ異動
総務として社員の採用や研修、社内のイベントなどに関わったが、しばらくはほかの会社に転職したような感覚になったようだ。
「営業の仕事とはまったく違うのですね。上司や先輩、同僚などに恵まれていたような気がします。上司をはじめ、みなさんが総務の仕事を丁寧に教えてくれましたから。みんなとお酒を飲む機会も多く、楽しかったですよ。私は、上司の方や先輩などから誘われることが多かったのです。もちろん、アサヒビールを飲みます(笑)」
2012年には、本社の人事部へ異動となった。20人ほどの部署だ。
「管理部門での専門性をより高めたかったのです。異動の際に学歴を考慮された? いや、まったく影響していないと思います。女性だから優遇されている? それもあまり感じなかったですね。
年に1回、昇格などが社内に掲示されますが、その人の出身大学が何らかの影響を与えているとは思えないです。その期間の人事評価、成果や実績などによってのみ判断されています」
入社以来、一貫して順調にキャリアを積んでいるようだが、自己採点は70点という。
「2回の異動が、希望どおりですから、その意味では順調かと思います。上司や先輩、同僚などに支えられてきましたから、とても感謝しています。マイナス30点は、私の努力がまだ足りないですから」
人事部では、採用・成長支援グループに所属し、若手社員の研修や、障害者、有期社員などの採用に関わる。現在は副課長となり、新卒の採用試験には面接官として加わるようにもなった。
「毎年、エントリーされる学生は多く、早稲田の学生もたくさんいます。面接の自己紹介で早稲田と言われると、ああ、早稲田か、とは思いますが、それ以外に、何か特別な思いで見ることはないです。ほかの大学の学生と同じ思いで接しています」
山添さんは大学入学当初は法曹への道に進むことを考えたが、早稲田にはそれ以上の魅力があったようだ。サークルやゼミ(民事訴訟法)などと、充実した学生時代だったという。
「政経(学部)にあらずんば、早稲田にあらず? う~ん、今は、もう違うと思います(笑)。私の頃は、入学の難易度は政経がいちばん高かったですが、学部が新設されて学部構成も変わっています。私は入学後に志望が変わりましたし、法学部以外の学部でも、早稲田で学生生活を送ることができるならば、満足していたと思います」