相手に伝わるよう数字を翻訳する

ビジネスは未来をつくることだが、そのためには何をしたらいいかを考える。その推論に説得力を持たせるのが数字。数字を有効化させるには、相手に数字が伝わるように翻訳することだと鈴木氏は続ける。

「言いたいこと(日常言語)をグラフや表(数字の言語)に訳す翻訳力。メッセージを伝え、説得力を持たせるにはどのようなグラフや表を使えばいいかを判断する能力です。もちろん、それにはグラフや表が表す数値を解釈し、そこからどのようなことが言えるのか、言葉に変換できる力も求められます」

鈴木氏によればビジネスで使う数字は3パターンに要約される。「グラフか表」「平均値、最大値、最小値などの数値」「数式」だ。

ちなみに鈴木氏がビジネスの分析やプレゼンに適していると評価するのは散布図だ。

「縦軸と横軸に2項目のデータを落とし込んだグラフで、決して複雑なものではないのですが、比較がしやすく課題が明確になる。今、世界の論文で最も使われているグラフが散布図だと思います。他のグラフも分析には欠かせませんが、これからは散布図の重要性を再認識し、理解して使いこなしてほしいですね」

数字は世界共通の言語でもある。

「数字を言葉として表現できることはグローバルなコミュニケーションをするうえでも不可欠な能力です。といって決して難しいものではありません。親しみやすいテーマから数字に馴染んでいき、比較、翻訳という発想で接すれば、むしろ面白くなっていく。数字力は誰もが身につけることができるのです」