時間は絶対守る、過去に執着しない

人生に花を咲かせる根っこの作り方1:脱なんくるないさ

「なんくるないさ」

沖縄の気質を表す言葉として、この言葉をたびたび耳にする。「気楽に行こうよ、なんとかなるよ」。南国のゆったりとした空気は牧歌的だ。

しかし、我喜屋はこれを好まないらしい。例えば、約束の時刻に遅刻してくる者がいれば重要なチームミーティングは始まらない。アウトかセーフか、野球は間一髪を争う競技。だから、興南高校野球部では時間厳守が徹底されている。1分でも遅刻するものはレギュラーから外される。遠征の時のバスに遅れたら、「走ってついて来い」と言い渡される。

時間を守れ、というのは文字通りではない。普段の社会生活のあらゆる局面で、真剣勝負で臨みなさい、という心構えのことを言う。ビジネスでも、大きな契約締結の会合に遅刻したら破談になるかもしれない。

少なくとも、毎朝の出社時間や、取引先とのアポ時間に遅れて、言い訳をする者に「のびしろ」はそれほど残されていないということは、皆さんもよくご存じだろう。

人生に花を咲かせる根っこの作り方2:古い自分は捨てる

元の場所から離れ、旅だってこそ、初めてわかることもある。新しい場所で生まれ変わり、新しい自分と出会う。

「ディスポート精神」
「ディス」は離れる。「ポート」は港。

我喜屋は沖縄の生まれ。自身の出身校でもある興南高校では夏のベスト4になってから大昭和製紙富士に入社。その後、大昭和製紙北海道に転籍し、監督を務めるなど野球に携わってきた。そして2007年に興南高校の指導者として戻った。南の国から北海道、北の果てまで、我喜屋は何回かディスポートをしてきている。過去は大切にしながら執着しない。これは前出、「古いものは捨てる」に通じる。