渋滞をなくすには1km当たり25台以下にすればよく(※)、それにはどうすればいいかを、「セルオートマトン」の理論を使って考えてみたい。
※「渋滞発生の境界線は『車間距離40m』!?」(http://president.jp/articles/-/15669)参照
高速道路を1つひとつセルに区切って、車が「いれば1」「いなければ0」とセットし、シミュレーションする。ルールは「前が空いていれば1が1つ前進し、詰まっていれば進めない」だ。
図を見てほしい、一番上が最初の車と道路の状況で、その時間経過による動きを1と0で表している。一番下は少し時間が経った後の道路状況だ。初めは3台の渋滞があり、その後ろの車はセル1つ分しか車間距離を空けておらず、その結果、渋滞の波は後ろに伝わり、渋滞は残ったままになる。
一方、3台の渋滞の後ろの車が車間距離をセル3つ分空けるとどうなるか。最終的に渋滞が解消している。まず車間距離を十分に空けたことで、前の車が渋滞で止まっていても、後ろの車はブレーキを踏まずに前進できる。そして、その間に前の渋滞は解消され、そのままスムーズに走行できるようになる。そして、このセル3つ分の渋滞を起こさない理論的な車間距離が40mなのだ。