成果の出せない社員、もっと端的にいえば、利益を生み出さない社員には特徴がある。1つ目の特徴は、日々の目標達成の度合いを「率」という数字で追いかけている点だ。たとえば、昨年の営業成績が前年比120%と非常によくて、「この調子で今年も前年比120%目標でいこう!」と意気込んでいる営業マンなどがこれにあたる。しかし、そもそも「前年比」は結果を評価する数字であり、目標設定に使う数字ではない。
業績がよかったのは、その商品のブームが起きたなど何か特別なことが原因だったとしたら、今年も前年比120%という目標設定はかなり無謀なものといえる。むしろ「今年は売上高11億円が妥当。結果的には前年比110%だが」といえる者のほうが、実は成果を出せる人物であることが多いのだ。
2つ目の特徴は「効率」を数字で捉えられないことである。昨年、あなたはAとBの2つの商品を大量に売り、それぞれ計30万円、つまりこの2商品で合計60万円の実績をあげたとする。そして、今年は65万円が目標だとしよう。
効率を数字で捉えられない者は、「昨年よりも努力し、AもBも昨年よりたくさん売ります」となる。しかし、昨年中の営業活動にかけた「労力」をざっくり数値化し、AとBの比率が「6対4」だとすれば、Aの労力単価は「30万円÷6=5万円」、Bのそれは「30万円÷4=7万5000円」。30万円の売上高という結果は同じでも、その意味合いは違うことがわかる。