「スーパーマーケットで紙おむつを買った人は缶ビールを買う傾向がある」――。これは米国での有名な分析事例だ。幼い子どものいる家庭では、妻は夫にかさばる紙おむつの買い物を頼むことが多く、夫はついでに缶ビールも購入して帰る、という考察だ。この分析結果の真偽には諸説あるようだが、ここで重要なのは「相関関係」に着目し、意外な発見、ビジネスのヒントを得る点にある。

相関関係を調べるといっても、決して難しくはない。ビッグデータなど不要である。「散布図」を使えば、一目でわかる。簡単にいうと、散布図は散らばり具合を知るときに使うグラフのこと。棒グラフや折れ線グラフ、円グラフに比べてなじみが薄いが、2つの相関関係を知るときには有効だ。

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一見関係なさそうな2つのデータだが……

図は、過去10日間に紙おむつを買った男性客を対象に、一緒に購入した缶ビールの数量を調べたもの。これだけを見ても相関関係はわかりにくい。そこで散布図をつくってみると、中央にほぼ直線で右肩上がりに点が並び、強い相関があることが見てとれる。つまりこの散布図は、「紙おむつを買う男性客は、缶ビールも一緒に買う可能性が高い」というメッセージを発しているのだ。