いきなりだが、図の問題にチャレンジしていただきたい。「論理パズル」と呼ばれるもので、実は日本と中国の小学生の間で大きな「論理的思考力の差」があることがわかり、かつて話題となった問題である。中国の小学生はほぼどの学年でも正答率が65%を超えているのに、日本では最高となった小学5年生の57%の値が、なんと中国の小学3年生よりも低かった。

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小学生の「論理パズル」に挑戦してみよう!

ここでは、両国間で最も差の大きかった「矛盾使用論述」の考え方を使って解説したい。もしも「く」の箱に宝物が入っていないとしたら、(1)より「か」「き」には宝物がある。また、(2)「より「け」「こ」にも宝物があることになる。すると、4つの箱に宝物が入っていることになって、(3)の条件に合わない。結果、「く」の箱には宝物が入っている、という答えが導き出せる。

いかがだろうか。こうした考え方がとっさに思いつくかどうかは、日頃の思考習慣が大きく影響してくる。中国の小学生の多くが正答できたということは、当然こういう考え方のトレーニングを日頃からある程度受けていると推測されるのだ。

実はこのデータは1997年のもので、当時小学生だった子どもはいま20代の社会人となっている。彼らが現在グローバルビジネスの最前線で競争していると考えると、複雑な思いにかられてしまう。