上海万博の開幕にともない、大阪万博当時の日本との比較をする報道がなされている。格差問題に絡めて中国の順調な成長を疑う声も多いが、筆者はその声に疑問を呈する。
消費者は本当に低価格を求めているか
上海万博が開幕した。そして、大阪万博の当時(1970年)の日本との比較がテレビでは盛んに流れている。
その多くの比較報道には2つの共通の焦点がある。1つは、万博開幕時の混乱あるいはマナーである。多くの報道は、「大阪よりも上海は混乱が多く、マナーも悪い」という。もう1つの共通の焦点は、経済発展の程度である。当時の日本と現在の中国とが同じような状況だ、というのである。1人当たりGDPの数字が類似しているというデータがよく出てくる。
ここから先は有料会員限定です。
登録すると今すぐ全文と関連記事が読めます。
(最初の7日間無料・無料期間内はいつでも解約可)
プレジデントオンライン有料会員の4つの特典
- 広告非表示で快適な閲覧
- 雑誌『プレジデント』が最新号から読み放題
- ビジネスに役立つ学びの動画が見放題
- 会員限定オンラインイベント
