1週間のサイクルでは生体のリズムはどう変わるか。土日が休みの会社の場合、月曜の午前中に会議はすべきでない、というのが2人の意見。

「やる気物質を調べてみると、週内リズムがやはりあって、予想通り月曜は低く、金曜に向かって上がっています」(篠原教授)

「脳がお休みモードから働くモードへの切り替えはすごく大変。だから月曜日の朝礼で脳に刺激を与えて脳を切り替えるというのはいい。でも、創造力が求められる会議は月曜の朝には向いていません。火曜日以降にしたほうがいいでしょう」(吉田院長)

篠原教授は、「曜日や時間帯で自分のやる気のピーク図のようなものを作ってみる。思い込んだ者勝ちなところがあって、毎週この曜日のこの時間帯は絶好調という思い込みがあったら、自分のゴールデンタイムとして使ったほうがいい。自己観察して行動するというのは大体うまくいくというか、失敗しても修正しやすい。ただ、同じ意味でこの曜日のこの時間帯は絶不調という思い込みはしないほうがいい」という。

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太陽光を浴びると各ホルモンの分泌が盛んになる

生体リズムに影響を与えるのがご存じ太陽光。太陽光を浴びることで、やる気、集中、幸福をつかさどるホルモンの分泌が盛んになる。朝起きるとともに、外の空気を吸いながら、太陽の光を浴び、昼の休憩時間も屋外で日光を浴びるのが、脳のリズムを規則正しくするコツ。

太陽光というと、気になるのが日焼けのもとになる紫外線。悪者扱いされている紫外線だが「紫外線はPOMCという物質を生成し、これがエンドルフィンという快感物質を分泌することがわかっています。つまり、日に当たると幸せを感じる」(篠原教授)。

脳の状態をよくするためにも太陽の光を適度に浴びよう。

諏訪東京理科大学教授 篠原菊紀
1960年、長野県生まれ。東京大学卒業後、東京理科大学諏訪短期大学助教授を経て、現職。脳計測器多チャンネルNIRSを使って、脳活動を調べている。『一生クビにならない脳』ほか著書多数。
 
本郷赤門前クリニック院長 吉田たかよし
1964年生まれ。東京大学大学院で生命工学を研究しながら国家公務員I種経済職試験に合格。NHKアナウンサー、代議士秘書を経て、医師免許取得。日本初の受験生専門心療内科クリニックを開設。

 

(遠藤成=撮影)
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