では、事故や道路工事がないのに、よく高速道路で渋滞が起こるのはなぜか。当然のことながら、車が多すぎるからだ。これをセルオートマトンで説明していこう。

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これが渋滞発生のメカニズムだ!

高速道路をセルで区切っていき、図のように1と0を定義し、車が多いときと少ないときでシミュレーションする。とりあえずここでは、「前が空いていれば1が1つ前のセルに進み、もしも詰まっていれば進めない」という誰でも納得できる簡単なルールにする。そして、実際に車を動かしてみる。

まずは車が少ない場合を見てみよう。一番上は、最初の車と道路の状態を示し、その時間経過による動きを1と0で表している。一番下は、少し時間が経った道路の状態だ。初めは3台の渋滞があったが、次第に適度にバラけて、最後は常に前に進めるようになったことがわかる。一方、車が多いときはどうか。時間が経っても渋滞が残っており、その渋滞は徐々に後ろに動いていき、いつまで経っても解消されない。実はこれと同じことが実際の高速道路でも起こっているのだ。

現実にはどのくらい車が集中すると渋滞が発生するのか。東名高速道路のデータを基に調べたところ、1km当たり25台ということがわかった。車間距離でいえば40m。つまり、渋滞をなくすには1km当たり25台以下にすればよいわけだ。

(構成=田之上 信 写真=PIXTA)
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