逆に、新奇探索傾向気質の強い人は新しい仕事に向かい合うと、なんか面白そうだぞ、とすぐに取りかかる。

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良い気分を溜め込む線条体

「ただ、手を付けたものの、時間が経つにつれ、やる気は頭打ちになりがち。1日経つとパフォーマンスがガクンと落ちて、結局、ギリギリになってしまう」(篠原教授)

どうすればいいのだろう。

「新奇探索傾向の強い人は最初の面白そうだなと思ったときに、がんばって全体構成のガイドラインまで作ってメモしてしまう。細部は後で詰めるつもりで。線条体の活動が高まって、やる気物質が出ているときが一番パフォーマンスは高いので、そのときにやってしまったほうが仕事は短く済む。時間が経ち、やる気が低下しても、そのメモを見ることで、あらためて新奇性が強まり、新しいアイデアを付け足しやすくなったりもします」(篠原教授)

「アメリカではこの新奇探索傾向の強い人が多い。国のシステムもそうですが、成り立ちからして旧大陸から新大陸へ渡ってきた人々の遺伝子が受け継がれているのでしょう。失敗してもいいからチャレンジしてみようという傾向があるので、社会で成功する人が多い」(吉田院長)

諏訪東京理科大学教授 篠原菊紀
1960年、長野県生まれ。東京大学卒業後、東京理科大学諏訪短期大学助教授を経て、現職。脳計測器多チャンネルNIRSを使って、脳活動を調べている。『一生クビにならない脳』ほか著書多数。
 
本郷赤門前クリニック院長 吉田たかよし
1964年生まれ。東京大学大学院で生命工学を研究しながら国家公務員I種経済職試験に合格。NHKアナウンサー、代議士秘書を経て、医師免許取得。日本初の受験生専門心療内科クリニックを開設。
(遠藤成=撮影)
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