高収益経営の実現は、経営者や部門長の理想の一つでしょう。私は、盛和塾の塾生に対して「売り上げの10%くらいは税引前利益がなければ事業とはいえない」と会合のたびにいっています。

どうしてかといいますと、税金を払う前の段階で1割の利益も出ない事業をそのまま拡大させてしまうと、非常にリスクが大きくなるからです。例えば、売上高が20億円で、税引前利益10%というと、それなりに儲けたと思うかもしれません。しかし、そこから半分が税金として引かれます。2億円の利益なら1億円しか残らないということです。

私も経営者になりたての頃は、研究開発、製造、営業に忙しい日々を過ごしていましたが、経理については素人で、ベテランの経理部長に任せていました。あるとき彼と、次のようなやりとりがあったことを記憶しています。

(岡村繁雄=構成)
【関連記事】
稲盛和夫直伝「私が部下を叱る基準、褒める基準」【1】
自分の部署より全社の利益を優先する人 -会社が絶対手放さない人の条件【昭和シェル石油 香藤繁常会長】
部門業績を1年で立て直すには何から始めるか
稲盛和夫の教え「フィロソフィ」と「部門別採算」 -日本航空代表取締役社長 植木義晴氏
組織のために、個人の利益は抑制すべきか?