でも、声をすべてそのまま反映するわけではありません。「もっと軽く、小さくしてほしい」という意見は毎回出ますが、そうなるとたくさん書き込める良さがなくなると考え、さらに大きくて重いA5判の「カズン」というシリーズを出したんです。結果、喜んで使ってくれました。さらに2年後、薄くて軽い週間用の「WEEKS」を発売しました。ユーザーの声を真正面から受け止めるだけではなく、新しいことを取り入れた後に、うまくいく姿が想像できるか考えるんです。

ページ下には「日々の言葉」を入れています。これで文庫本が手元にないときでも活字を読むことができますからね。書かれている言葉は、1年間に「ほぼ日刊イトイ新聞」に掲載されたコンテンツから、社員それぞれが選んだ1000以上の言葉をプリントにして広い部屋に並べたうえで、担当者が決めます。

そのほか日本に古くから伝わり馴染みのある六曜や月の満ち欠け、旧暦の日付も入れています。手帳としての機能や使い勝手はしっかりとおさえているので、後はこの手帳を自由に使い倒してほしいですね。

スマホ時代に50万人が愛用する手帳

「ほぼ日刊イトイ新聞(ほぼ日)」の手帳・ダイアリー。オリジナルのA6判は、2002年版からスタート。ロフト手帳部門では10年連続売り上げ1位。14年版の売り上げは50万部を突破した。09年版よりA5判の「カズン」、11年版より週間手帳の「WEEKS」などラインアップも追加。15年版はシリーズ全76種を発売。

糸井重里(コピーライター/「ほぼ日刊イトイ新聞」編集長)
1948年、群馬県生まれ。東京糸井重里事務所代表取締役社長。コピーライター、作詞家、ゲームプロデューサーなど多彩に活躍。98年、Webサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を立ち上げ、毎日更新のコンテンツを提供。「ほぼ日手帳」「ほぼ日ハラマキ」などのオリジナル商品も展開している。
(構成=矢倉比呂 撮影=佐藤新也)
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