おススメは、「副業」「主婦」「学生」

ランサーズが今年発表した調査では、広義のフリーランスを「副業系すきまワーカー(常時雇用者の副業)」「複業系パラレルワーカー(複数企業との契約による就業)」「自由業系フリーワーカー(勤務先に属さない独立者)」「自営業系独立オーナー(個人事業主、1人法人経営者など)」という4タイプに区分しています。

私は、フリーランスにチャレンジするなら、「副業系」もしくは「自由業系の中の主婦や学生」の方々に、おススメしたいと思います。これらの人たちは、完全にはフリーランスとは言えませんので、“部分的フリーランス”ということになるでしょうか。

いきなり会社を辞めてしまうのではなく、まずは副業として。しかし、これには勤務先企業のルールをクリアしなければなりません。多くの会社では、就業規則などで「副業禁止」が謳われているからです。しかし、この規則は、「副業することによって、競合他社への情報漏えいや疲労などにより本業に支障が出る」ことを防ぐことが主な目的でした。ところが、多くの企業は、終身雇用や年功賃金は崩れ、就業以外の時間まで社員を縛り付けるだけの見返りを提供できなくなってきています。また、ネット社会になり、個人ブログからのアフィリエイトやネットオークションを使った売買収入など、副業としての定義や補足があいまいなものも増えてきました。そのため、将来的には副業禁止という発想自体が薄れていくと考えられます。

とはいえ、現時点では、できれば会社に許可を得た上で、本業に支障の出ない範囲で行うのがよいでしょう。

一方、学生や育児中の主婦なども、空き時間を有効に活用できるため、“部分的フリーランス”に適しています。学生にとっては企業社会を体験するための職業訓練にもなりますし、主婦であればOL時代に培った職業スキルを錆びさせないために有効です。

もちろん、極めて高い専門スキルを保有したプロフェッショナルであれば、フリーランス専業も可能でしょう。しかしながら、そこそこのスキルでの専業チャレンジは危険といえます。いくらクラウドソーシング市場が拡大しようとも、自由競争にさらされることに違いはありません。生活費にも困窮するフリーのライターや翻訳家などは、数多く存在します。先述したデザイン入札の例でいえば、提案が採用された1人以外は、全員タダ働きです。

これからの世の中、会社に頼らなくても生きて行けるだけのスキルを身に着けておくことは重要ですが、「ついにフリーランスの時代が来た」とは、どうしても思えないのです。

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