レスリング オリンピック金メダリスト 伊調馨さん

1984年、青森県生まれ。中京女子大学(現・至学館大学)卒業。ALSOK所属。兄、姉(アテネ・北京オリンピック連続銀メダリスト)の影響で、3歳の頃から八戸クラブでレスリングを始める。18歳・高校3年生で世界選手権優勝を飾って以来、9回優勝。全日本選手権10回優勝。2004年アテネ、08年北京、12年ロンドンオリンピック優勝。日本女子アスリート初のオリンピック3連覇達成。16年リオデジャネイロオリンピックで日本初、レスリング初の4連覇を目指す。


 

レスリングがもっとうまくなりたくて、もっと知りたくて、日々葛藤していますが、やればやるほどわからなくなる。レスリングって、本当に奥が深いなと痛感しています。

昨年、ウズベキスタンで開催された世界選手権の優勝インタビューで「今回のできは?」と尋ねられたので、「40点」とお答えしました。記者さんたちは驚かれていましたが、自分としては練習してきたことが半分もできなかったので。やっぱり、自分に厳しく!

「ちょっといい感じになってきたかな」とつかめると、もうちょいのところでまた壁にブチ当たって落ちる。でも、ちょこちょこ上がっていくより、ドーンと落ちて、また上がっていくほうが突き抜けられるような気がしています。落ちたあと、なんかひらめいたりしますから。諦めたら、そこで終わり。まだまだ追求していかないと。

2008年の北京オリンピック後、拠点を東京に移して、出稽古を中心に午前と夕方の2部練習。30歳を前にカラダを気づかうようになり、毎日ほとんど自炊しています。やっぱりケガが多くなりましたし、何よりも回復力の衰えを感じるようになりました。

昼は体重が減らないよう炭水化物を多く摂り、夜は肉や魚、納豆などタンパク質中心。ワインなどを時々飲みますが、「いい練習ができたから、自分へのご褒美」というよりは、「今日もイマイチだったけど、明日もがんばろう」と自分を励ますお酒ですかね。だから、外で食事をするときは、“楽しく”が基本です。

「リベルテ」さんは、3年前にALSOKの大橋正教監督に連れていってもらいました。おいしくお食事をいただいて最後にデザートとなったら、サプライズのバースデーケーキを出してくれたんです。それ以来、お気に入り。フレンチ&イタリアンのお洒落な料理をガッツリ食べられるのがいいですね。

「ヴィラモウラ」さんは、ALSOK本社から近く、仲間たちと時々伺っています。私は八戸の出身で、父が寿司職人だったから魚にはちょっとうるさいんですが、同じ魚介類でも和食とは違って「こんなふうに食べるんだ」と驚きました。個室もありがたいです。

レスリングの遠征は、強豪国が揃う東ヨーロッパや旧ソ連の中央アジアばかり。いつかはフランスやイタリア、ポルトガルへ行って、本場の料理を楽しみたいなと思いながら、この2軒に通わせていただいています。