海稲良光さん/上畑廣高さんが薦める本リスト

(1)『現代の経営』 P・F・ドラッカー・著 ダイヤモンド社
…初版は1954年。以来、多くのビジネスマンに読み継がれている経営学の古典。企業に働く者の使命、責任、役割、仕事の方法を説く。
(2)『ドル崩壊!』 三橋貴明・著 彩図社
…アメリカのサブプライム問題に端を発した経済の大混乱。なぜ世界に影響を及ぼしたのか。現在世界で起きている経済問題を平易に解説。
(3)『人を育てるトヨタの口ぐせ』 OJTソリューションズ・編著 中経出版
「者に聞くな、物に聞け」「カイゼンは巧遅より拙速」などトヨタ勤続40年以上の元現場リーダーが語る言葉集。
(4)『トヨタ生産方式』 大野耐一・著 ダイヤモンド社
…30年前に発行された「ムダを徹底的に省く生産方式」。その要諦を、発案者みずからが解説した本。メーカー生産現場のバイブル。
(5)『失敗学のすすめ』 畑村洋太郎・著 講談社文庫
…失敗の実例に学ぶ企業のリスクマネジメント本。「良い失敗」から物事の新しい側面を発見し、仮想失敗体験することが重要と説く。
(6)『仕事のための12の基礎力』 大久保幸夫・著 日経BP社
…「反応力」「愛嬌力」「楽天力」など、技術でも資格でもない、仕事に本当に必要な12の基礎力を描く。
(7)『デフレは終わらない』 上野泰也・著 東洋経済新報社
…「エコノミストランキング」6年連続1位のみずほ証券の気鋭エコノミストが、日本経済の本質的な問題点を追究した本。
(8)『「できる人」で終わる人 「伸ばす人」に変わる人』 吉田典生・著 日本実業出版社
…対話法を使い分け、部下を成長させる方法など、人のあらゆる成長プログラムに応じ実践的な育て方を開陳。
(9)『見える化』 遠藤 功・著 東洋経済新報社
…問題、ノウハウ、顧客の声などの企業活動が「目で管理」できれば、企業は強くなる――。企業の実例をもとに「見える化」を解明。
(10)『知識創造の方法論』 野中郁次郎・紺野 登・著 東洋経済新報社
…現象の本質を洞察し概念化する方法を学ぶ。哲学や社会学といった知識を経営にどう結びつけるか。ナレッジ時代の「知的鍛錬法」。
(11)『強欲資本主義 ウォール街の自爆』 神谷秀樹・著 文春新書
…リーマンの破綻。繁栄を誇った米経済はなぜ踏み誤ったのか。NYの日本人投資銀行家が見た失敗の要因とは。
(12)『人事破壊』 日下公人・著 ビジネス社
…10年前に出版された同書の再版。経済の混迷期だからこそ、「失われた15年」に行われた人事制度改革を検証し、再考する好材料。
(13)『地頭力を鍛える』 細谷 功・著 東洋経済新報社
…「結論から」「全体から」「単純に」考える3つの思考力を鍛えるツール「フェルミ推定」を紹介。問題解決能力の向上を図る良書。
(14)『新版 企業の人間的側面』 ダグラス・マグレガー・著 産業能率大学出版部
…X理論(命令や統制による経営)ではなく、Y理論(統合と自己統制による経営)を提唱。そのための人事制度、育成方法などを紹介。
(15)『コンサルタントの「現場力」』 野口吉昭・著 PHP研究所
…ゼロベース思考、フレームワーク、オプション思考……。一流コンサルタントの思考法とその使用法を解き明かした1冊。

(大塚常好=構成 増田安寿=撮影)