入社5年目、理想に燃えた日々

<strong>和田浩子</strong>●元P&G米国本社副社長。2004年米Fortune誌に世界で一番パワフルなビジネスウーマン50傑に選ばれる。ダイソン日本支社社長などを経て、独立。
和田浩子●元P&G米国本社副社長。2004年米Fortune誌に世界で一番パワフルなビジネスウーマン50傑に選ばれる。ダイソン日本支社社長などを経て、独立。

ここに取り上げた本はどれもビジネスに即役立てられる実践主義の本だ。翻訳されているものもあるが、英語で出ているものは英語で読んだほうが書かれているロジックがわかりやすいことから原書で推薦した。

オスカー・シスゴール の『Eyes on Tomorrow』はP&Gの社史のような本。これを読んだ1981年当時、会社は日本からの撤退も考えていた大変な時期だった。しかし、入社5年目で、ブランドマネジャーをやっていた私は、正しい人を雇って育て、組織を活性化させるという世界レベルのマネジメントに触れ、自分の組織がそこからは程遠いことを知ると同時に、理想に燃えた。

そして、この本にあるすべてのことを一つひとつ私の組織にもあるようにしていった。例えば、年功序列のシステムに疑問を持ち、有志で勉強会を開いてパフォーマンスに基づいた給与システムの提案書を会社に提出したこともある。本来の自分の業務ではないが、理想像を持っていると、ほかの部分も気になり始め、行動したくなるものだ。『Competing for the Future』は、未来に向かって競争に勝つための戦略をいかにつくるかについて述べた本。勝つには人と違うことをしなくてはいけない。だが誰もやったことのないことは難しい。P&Gでは、正しくて難しいことをやれと言われていたが、この本を読んで実践を積むと、正しい戦略は難しいことが多いということに気づかされるはずだ。