仕事をしながら自分を訓練する

会社や仕事に忠誠心がなければいい仕事はできない。しかし、会社だけが自分を育ててくれると思うのは間違いだ。自分が自分の成長に責任を持つつもりで仕事をするほうがいい。会社に頼ってはいけないというわけではないが、仕事をしながら自分を訓練するという意識で取り組んだほうが、大きく成長できるはずだ。

一度した仕事でも、もう一度同じ仕事をするとしたら果たして同じ方法で取り組むだろうか、違った方法でやるのではないか、と常に自分の仕事を振り返る。そうすると、得た経験が整理されて自分の中の引き出しに格納され、経験が本当に自分の血となり肉となる。

読書で得た知識を実践するときも同じだ。自分がなぜこの本を読むのか。明確な目的意識を持って知識を得、実践して反省をする。そのなかで自分を成長させていくのだ。

グローバルな社会で生き残るためには外国語習得のニーズがますます増えるだろう。現在ビジネスの世界で一番使われている言語は英語だ。英語を使えば、自分の思想を数十億人に伝達でき、相手の考え方との相違が理解できる。

もう一つ重要なのは、多様化する社会の中で日本人は日本のことを知る必要があるということ。『Giants of Japan』には、吉田茂や王貞治など、日本の文化や思想に影響を与えた30人の日本人が登場する。彼らが日本の精神性や文化性に与えた影響が国外からの視点で説明されており、切り口がおもしろい。視点が変われば評価基準も変わるのだ。マーケティングの一物一価などは、江戸時代には越後屋がすでに取り込んでいたりと、知識も得られる。こうした知識はパーティの際のちょっとした会話にも役立つだろう。

いい本には普遍性がある。時を超えて、国境を超えて有効だ。こうした本から得た知識を実践に役立て、多様化する時代のニーズに応えられる力をつけていってほしい。