中小企業経営者のニーズを保険に反映

――日本に進出して30年になる「エヌエヌ生命」の強みは何ですか。

強みのひとつに「商品開発力」があります。保険商品を開発して売ることが先にあるのではなく、お客さまのニーズをまず把握して商品を開発しています。当社の保険商品には中小企業のオーナーの声が反映されています。

たとえば、「生活障害保障型定期保険」は、死亡時だけでなく、介護が必要になるなどして仕事に支障が出る場合も保険金が出ます。働けなくなった場合の保障に対する要望に応えています。また、「逓増定期保険特約」は、保険期間の満了に向け死亡保険金や高度障害保険金が大きく増えます。経営者に必要な大型保障が効率的に準備できます。

2013年11月、私は日本法人の社長に着任しました。これまでに北海道から沖縄まで全35の営業拠点を回りました。中小企業経営者や各地の代理店との出会いの一つひとつが、よりよい商品やサービスを提供していく源泉になっています。

日本の中小企業経営者の関心事は、大きく分けると、事業承継、死亡時や働けなくなったときの保障、退職金の準備の3つです。

なかでも、悩み深いのは事業継承です。中小企業経営者の高齢化が進んでいます。平均年齢は60.6歳です。60歳超の経営者の割合は過半を占めます。事業継承は切迫した問題になっているのです。しかし、中小企業経営者の約40%が「相談できる相手がいない」と悩んでいることが、法政大学大学院との共同研究で判明しています。私たちは、経営者のよき相談相手となり、現場の声を商品やサービスに反映するよう努めたいと思っています。

――保険商品の販売はどのように行っているのですか。

お客さまへのご提案は、エヌエヌ生命の委託を受けた代理店が担当します。当社の代理店は、税理士・公認会計士、一般保険代理店、銀行・証券会社など、日ごろから多くの中小企業と向き合い、その経営課題に多面的な視点からご提案ができるプロフェッショナルです。これらの代理店は、エヌエヌ生命が提供する、中小企業の経営課題やリスク、生命保険などに関する専門的なトレーニングを受け、中小企業の皆さまのニーズに耳を傾け、最適な解決策を提案します。

エヌエヌ生命のコアバリュー(最重視する価値観)は「CARE(ケア)」「CLEAR(クリア)」「COMMIT(コミット)」の3Cです。ケアは「配慮」、クリアは「明瞭」、コミットは「責任」という意味です。

お客さまと直接向き合い、ニーズを捉え、わかりやすい商品を作り、提供する。それがすべてです。大切な資産を「安心」して託せる「安全」な会社としての責任を果たしていきます。

私たちは、全国の5000店以上の販売代理店とともに、中小企業とその経営者が財務や財産の面で安定した将来を確保できるよう支援していきます。

エヌエヌ生命社長
サティッシュ・バパット

1966年生まれ。ボンベイ大学卒。米国テンプル大学経営学修士課程修了。94年
デロイト・アンド・トウシュ、ABNアムロ・アセットマネジメント、RBS(オランダ)などを経て2010年アイエヌジー・インベストメント・マネジメント(オランダ)入社、12年同社(香港)アジア・パシフィックCEO。13年11月アイエヌジー生命(現エヌエヌ生命)社長就任。座右の銘は「一期一会」で、一番大切にしている日本語。
(金澤匠=構成 澁谷高晴=撮影)
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