【タイプ5】謝ったあと、「ひと言」言いたくなる
ミスを謝ったあと、余計なひと言をつけ加えるのも、相手の気持ちを逆なでする謝り方だ。負けず嫌いで理屈っぽいタイプに多い。
例えば、企画提案のプレゼンで他社に負け、上司からきついお叱りを受けたとする。
「私の力不足です。本当に申し訳ありませんでした」
ちゃんと謝ったところまではよかったが、そのあとにひと言つけ足した。
「残念だったのは、企画担当から資料が届いたのが2日前だったことです。せめてあと1日早ければ、しっかり準備できたのに、本当に残念です」
自分にも責任はあるが、準備不足でプレゼンに臨んだのは、企画担当にも責任の半分はあると主張したのだ。
この種の“但し書き”つきの謝り方はよく聞かれる。謝られたほうは誠意が感じられず、聞き苦しいことこのうえない。
ほかにも「忙しすぎた」「言われた通りにやったけど」「頼み方に問題がある」など、責任転嫁の“但し書き”はいくつもパターンがある。
もう一つ、よく聞かれるのが「キミのためを思って」という“但し書き”。
部下をこっぴどく叱った翌日、上司が「昨日は言いすぎてすまなかった。でも、キミの将来を思えばこそ厳しく叱ったんだ」とフォローする場合がそうだ。あるいは、旅行の計画を勝手に決めてしまった夫が「ひとりで決めたのは悪かったけど、キミはただでさえ忙しそうだから、負担をかけたくなかったんだ」と詫びる場合など。この種の“但し書き”は職場、家庭、友人関係と幅広い場面で使われる。
自分のためと言われるとついつい許してしまいそうだが、どこか恩着せがましい感じも受けるし、口当たりのいい言葉ではぐらかされた気分は残る。
このような“但し書き”には、全面的に謝りたくないという気持ちと、ちょっと鋭いところを見せたいという「変プラ」が働いている。しかし謝罪で大切なことは、落ち度を認めて「無条件に謝る」こと。屁理屈をこねてデキる人間に見せる必要はない。