【タイプ3】謝ったあと、黙ってしまう

素直に「ごめんなさい」と謝ることはできるのに、そのあと黙ってしまう人がいる。お詫びに精一杯で、次に続く言葉が見つからないタイプだ。これも相手のイライラを増大させる。

「黙って頭を下げれば誠意は通じる」「言い訳は潔くない」と考えるのは大間違い。謝罪の気持ちは、言葉を尽くし、態度に示してようやく通じるもの。何か言えば弁解と受け取られて、さらに怒りを買うかも……と警戒する必要はない。

相手も「ごめんなさいのあと、いったい何を話し出すのか」と注意して聞いているはずだ。そこで黙り込んでしまえば、怒りを鎮めることも、許してもらうことも難しくなる。

ミスの原因は何か、どのように対処するのか、再発防止策はあるのか……謝罪と同時に説明すべきことはいくつもある。その説明が不十分では、相手にとって「納得できる謝罪」とは言いがたい。「同じミスが起きないよう善処します」と謝ったのに、「どう改善する?」と質問されて黙ってしまえば、信頼回復には至らない。

自己弁護と違って、原因や対策をきちんと説明することは相手のためでもある。

「なんで帰りが遅くなるって連絡くれないの!」と怒る妻に、「ごめんごめん」と謝るだけでは、誠意も言葉も足りない。遅くなった理由や連絡できなかった理由をちゃんと説明しないと妻の怒りは収まらないのだ。心配してくれた妻の気持ちを考えてみればいい。そこで「すまなそうなこの顔を見ればわかるだろう」「頭を下げてるからいいじゃないか」と逆ギレするのは甘えというものだ。

謝罪の言葉も「ごめんなさい」の一本調子ではなく、できるだけ“謝罪のボキャブラリー”を増やしたい。「すみません」「ごめんなさい」「申し訳ありません」「ご迷惑をおかけしました」「このたびは本当に失礼しました」「心から謝ります」「深くお詫びします」「私が悪かったんです」「お許しください」「お詫びのしようもありません」などのフレーズを身につけ、相手や状況に合わせて適切な表現を駆使したい。そのうえで、きちんと説明する。“お詫びと説明はワンセット”という意識がないから、相手の納得が得られないのだ。