今いるポジションによって、読むべき本は変わってくる。次なるステージに向かう階段を順調に上るためにも、現在の足場をしっかり固めるための指南書を手に取りたいものだ。
住友生命保険 代表取締役会長 佐藤義雄氏

書棚に並ぶのは、ビジネス書やゴルフの教則本ばかり……。将来の役員候補と目されている人のなかで、もしそんな人がいたら、少し残念です。

仕事は、専門のスキルや経験があれば乗り越えられる時期があります。しかし、だんだん地位が上がってくると、物事の本質を見極める力が大事になります。そのとき、直接的にではないにしろ、役立つのは歴史や広い意味での教養だと私は信じています。偉そうなことを言うつもりはありませんが、ビジネスに直結しない一見無駄とも思える、自分だけの“バックグラウンド”を持つこと、それが経営力の土台となるのではないでしょうか。