社員に退職を促す「追い出し部屋」が話題になっている。お荷物社員にならないためにはどうすべきか。有力人事部員が「生き残る人材」の条件を語り尽くす――。

B評価で突然の戦力外通告

【金融】社員を退職に追い込むための「追い出し部屋」が話題になった。アメリカのように簡単にクビを切れないという日本の事情を考えると致し方ない面もある。一般の人から見ると何千人削減とか聞くと胸の痛む話ではあるが、経営者としてはそこまでしなければ経営危機を乗り越えられないという相当苦しいジャッジだと思う。

【IT】退職勧奨を受けて嫌だというので配置されたと思うが、なぜ受け入れないのかよくわからない。当然、その前に人事評価に基づいて判断されている。つまり、どの部署からも引き取り手がなく、配置先がないというのは本人に問題があるからだ。世の中は円高だ、経営が厳しいと言われながら、ぬくぬくと自分だけは残りたいと思うこと自体がナンセンスだと思う。どこからも呼ばれないということは、会社と相性が悪いからと考えてほかで働き口を探すほうがよい。

【食品】会社にも問題があると思う。追い出し部屋の悲劇は、まさか自分がそんな目にあうことはないと思っていた人が突然、「おまえはいらない」と言われたからだ。おそらく彼らの人事評価は下のD、Eの評価がついていたわけではなく、B評価、悪くてもC評価をもらっていた人たちだろう。だから突然の戦力外通告に驚いた。最初からD、E評価をつけられ、会社に貢献していないよ、とずっと言い続けられていれば、本人も気づくだろう。しかし、手のひらを返すように辞めろと言われればやはりつらいだろう。

会社側にも罪はある

【流通】確かにそういう事態になる前に自分はやばいな、何とかしようという行動をとるように指導してこなかった会社側にも罪はある。やはり大事なのは適正な評価を日頃からやっていることだ。親心で甘くしていると部下のためにもよくない。相手がショックを受けようが、泣かれようが厳しい評価とフィードバックして危機感を与えることが本人のためにもなる。

【精密】誰も会社から辞めろと言われ、嫌な思いをして去りたくない。しょうがないなと自分の心の中で少しは決着がつけられるような去り方ができればよかった。追い出し部屋に至るまでにやることがあったのではないか。