会社頼みのままでは職場ごと路頭に迷う
個人としてリストラにどう備えればいいのか。重要なことは、会社に頼るという意識を見直すことではないでしょうか。
ひと昔前までは、業歴のある「老舗企業」は盤石という見方がありました。ただ、当社のデータを紐解くと、01年を境に業歴10年以下の新興企業と、業歴30年以上の老舗企業の倒産の割合に逆転現象が起こっています。13年の倒産の割合を見ると、新興企業は23.2%ですが、老舗企業は31.6%。業歴のある企業ほど、倒産しやすくなっています。
原因として考えられるのは、老舗企業はバブル期の影響もあってか、どうしても銀行からの借り入れが多いということ。また、老舗企業ゆえに経営が硬直化しやすいという面もあるでしょう。採算が合わなければ即撤収する新興企業とは異なり、老舗企業は債務をどんどん膨らませ、最終的には倒産してしまうわけです。
つまり、それだけ企業の新陳代謝が早まり、仕事のあり方が変わってきているわけです。いまや企業の業績にかかわらずリストラが敢行される時代に突入しました。だからこそ、退職に追い込まれる側ではなく、必要とされる人材になるために、自分自身の能力を高めていく必要があるでしょう。
東京商工リサーチ 情報部 部長 松永伸也
1989年東京商工リサーチ入社。横浜支社調査部に配属、企業信用調査業務に従事。その後、企業倒産・信用不安情報を専門に扱う情報部に配属となり、倒産取材を担当。2003年10月より現職。
1989年東京商工リサーチ入社。横浜支社調査部に配属、企業信用調査業務に従事。その後、企業倒産・信用不安情報を専門に扱う情報部に配属となり、倒産取材を担当。2003年10月より現職。
(呉承鎬=構成 遠藤素子=撮影)