法務職は外資転職でバンバン稼げる
法務職を目指す人は、入社後に法務部門のエキスパートとしてキャリアを磨き、最終的に役員に昇進する道もあるが、法務専門職として転職し、ステップアップしていく道もある。法務の役割の重要性が高まるに伴い、転職市場での求人ニーズも増えている。
人材紹介会社のコンサルタントはこう解説する。
「上場企業など大手企業は即戦力となる法務人材をほしがっている。それでも条件に合う人がいなければ法科大学院卒の若手を育てていこうという会社もある」
実際に商事法務研究会の調査(2010年)では法務担当者の採用方針は「法務業務経験者を中途採用する」と回答した企業が47.5%と最も多い。次いで「他部門から異動させる」(45.9%)、「新卒または勤務経験のない既卒を採用する」(39.1%)となっている。
▼法務職の給料 驚きの相場
ところで気になる給与だが、基本的には他の部署の総合職の社員と同じ賃金体系に基づいて決まる。日本企業に転職する場合の法務職の年収は20代の若手社員の場合は400~600万円、課長クラスで600~900万円。部長クラスで1000~1300万円という。大手企業の他部署の社員の年収とほぼ同じと見てよいだろう。
これに対して外資系企業は日本企業よりも総じて高く、外資に転職する人も少なくない。
前出の人材紹介会社コンサルタントはこう続ける。
「マネージャークラスで1200万円前後、ディレクター(部長)クラスになると2000~2500万円になる。日系から外資系企業への転職も多く、たとえば大手の法律事務所からインベストバンクなどの金融機関に転職する人もいる。一方、外資から日系企業に転職する人もいるが、年収よりも身分の安定性と業務のおもしろさに魅力を感じている人が多い」
法務職の将来性については「成長産業のIT関連企業の求人ニーズは高く、製造業や商社の法務職から転職している人も多い。経営のリスクをヘッジする会社の心臓部であり、今後はグローバル化で需要は益々高まる。今後需要が高まるのは間違いない」(前出・コンサルタント)。
どんなに専門性が高くてもすべての職種が将来も生き残るわけではない。時代やビジネス環境の変化に応じて廃れる職種もあれば、注目される職種もある。そうした変化を見据えて目指すべき職種を選択することだ。