35歳で給料2000万円も可能

▼給料は、大手VS 下請けで大違い

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有望なITエンジニア職その2 ITコンサル

気になるのは給与だ。

じつは社内の職種やキャリアパスに限らず、企業別、そして元請けか2次請けかによって大きく変わる。

【エスアイアー】

エスアイヤー系の職種で言えば、元請けと2次請けで違ってくる。PGは元請けが年収500万円、2次請けは350万円が平均的相場となっている。同様にSEは700万円と500万円、PMは900万円と650万円となっている。

大手人材紹介会社のコンサルタントはこう語る。

「1次と2次請けではプロフィットが違う。1次が受注し、プロジェクトではPMだけを担当し、SEやPGは2次請け、3次請けが行うというケースも多い。2次請けのPGを30歳までやっている人がいるが、それでも年収は350~400万円程度。それに対して大手のエスアイヤーでは入社2年目で500万円を超えている。また、SEも1次請けは30歳前後で800万円をもらっている人がいるが、2次請けでは40歳過ぎてもやっている人が多いが、年収は550万円程度であり、年齢とは関係ない」

エスアイヤーの元請けと2次請けの関係はゼネコンの下請けとの関係と同様に会社の力関係によって給与の差が大きい。さらにその上をいくのがITコンサルタントだ。

【ITコンサルタント】

「ITコンサルティング会社は概して給与が高い。ITコンサルタントを例にとれば、30歳で1000万円を超える。35歳で1500万円ぐらいはもらっている。顧客のニーズを踏まえて何もないところから形を作る上流工程に携わる人と、その形を作っていく下流工程では、上流のほうが付加価値も高い。たとえばITコンサルのさらに上流の経営戦略のコンサルティング会社の場合、35歳ぐらいのマネージャークラスで2000万円近くもらっている」(前出の人材コンサルタント)

一般的にIT系企業は離職率が高く、転職を通じたキャリアアップを図る人も少なくない。実際に日本の求人・求職の転職市場の20%以上をIT産業が占めるとまで言われる。IT人材は転職市場でどう評価されているのか。前出の人材紹介会社の担当者は次のように指摘する。

「評価のポイントは年齢に対する経験値だ。たとえば30歳でPMを経験している人であれば、どこの会社でどんなプロジェクトに携わったのか、100人のビッグプロジェクトなのかといった難易度をチェックする。その中でも最初からシステムが固まっていない顧客のニーズを聞き出し、まとめていく力のあるコンサルタントの評価が高い。企業のグローバル化を背景に、英語ができるグローバルなプロジェクトに携わった経験のある人も評価が高い」

国内市場の成熟化やグローバル化の進展に伴い、長期的には国内のIT需要は頭打ちになると予測されている。その中でもITコンサルタントは生き残ると語るのは前出の担当者だ。

「IT業界はオフショア化とクラウドコンピューティングが進行し、システムのものづくりの需要が減少し、中長期的にはプロジェクト自体も小さなものになっていく傾向にある。そうなると、国内ではそれほどものづくりに携わる人は必要性が薄れるかもしれない。IT業界で生き残って行くには、何を作ればいいのか考えられるコンサルティングできる人だ。できればITコンサルタントなっておくことだ」

ITコンサル系では大手エスアイヤーに転職する人、あるいは事業会社の情報システムに転職する人もいるという。