全社員が会社の評判とブランドを担う

世界中の生命保険業界で、現在「適合性の原則」に大きな焦点が当てられています。この「適合性」は、私たちが販売する商品がお客さまのニーズ、経済状況、リスク許容度、知識、経験に見合ったものであるかを確実にすることに関わるものです。

日本では少子高齢化など経済・社会の変化が進み、将来に不安を感じる人が増えています。国庫の財政状況の悪化によって医療や年金といった公的社会保障だけに頼れない状況に陥り、国民一人ひとりが自助努力を求められる時代です。こうした中で、私たちは信頼される人生の案内役として、お客さまが人生の「もっと」をかなえる応援をしていく使命を担っています。その期待に応えるためにも、私たちはより良いコンプライアンスとリスクマネジメントを必要としています。

メットライフでは、全ての社員が会社の評判とブランドを担っています。つまり、社員はアクセルとブレーキの両方を操作できなければならず、これは営業にも内勤や管理部門にも自らが生み出すリスクを理解し、それらのリスクを管理し、最終的にはお客さまの信頼を守るために自ら判断をすることを求めています。

この考え方を反映して、メットライフのグローバル・コンプライアンス・モデルは、高いレベルでの理解と責任感を持つことを社員に求めるいくつかの「防衛線」に基づいて策定されています。第一の防衛線として営業やオペレーション等の現業の社員は自らの日々の活動が生み出すリスクを管理する責任を持ちます。コンプライアンス部門が主たる第二の防衛線であり、リスク発生の防止とともに監督と諮問機能をもち、社員に交通規則の理解を促し、適切な運転免許を持って業務を遂行することを支援します。

コンプライアンス部門のメンバーも、アクセルの操作について熟知しなければなりません。つまり、双方が強固な協力関係を形成して、ビジネスがどのように行われるかを理解し、お客さまとの契約のための規則と手順や日々の業務のルールをできるだけ簡素な形で作成することに努めるのです。この取り組みを日本の実務の中でフルに稼動させ、機能させるにはまだ相当な努力が必要と考えています。