わからないとき、こうすればいい

野村証券会長 古賀信行氏●1950年、福岡県生まれ。74年東京大学法学部卒業後、野村証券に入社。人事、法務、企画などの仕事を歴任した後、2003年に社長に就任。08年より現職。

新人時代、私は人事の仕事が長かったのですが、その後、引受部に移りました。しかし、部内会議に出席すると、そこで交わされる話は、言葉の3~4割程度しか理解できませんでした。意味不明の打ち合わせをしている。新しい部署に移って2~3カ月は、わからない苦しみを味わいました。

顧客からの電話を受けたときは、最悪です。相手は当然、こちらが理解しているものとして話を進めてくる。「今度、抽選償還があるんだけれど、その手続きはどうすればいいか」などと質問される。こちらは「抽選償還? どこかで聞いたような言葉ではあるな」などと思いながら、受け答えするわけです。こちらは知ったかぶりですから、とにかく冷や汗ものでした。