[理由4]女性比率
そのほかを見ていくと、14位の宝飾品、時計などの小売大手のベリテでは女性社員の比率が「公表していないが約7割」(同社総務部)と高い。加えて勤続年数も5.6年と、長く働く人が少ないことも理由の一つのようだ。「宝飾業界内で見ると、当社の給与が特別に低いわけではない」という同社の回答も理解できなくはない。
東京・青山にも出店し、ラスクで有名な20位の洋菓子メーカー・シベールも、本社が山形にあること、女性比率も「およそ8割」(同社)と高い。取材にも「業種で見ても地域で見ても、当社が特段に低いわけではないはず」と答えている。今回、取材に対応してくれた企業は少ないが、おそらく似た理由を抱えた企業が多いと思われる。
では、真の薄給企業はどこなのか。
「ある有名テーマパークを運営する企業では、平均年収は800万円近いのですが、働く人の9割はアルバイトです。彼らを正社員扱いすれば、平均年収は200万~300万円程度までダウンするでしょう。出ている数字だけを見ても、よい企業か悪い企業かはわからないものです」(前出のHさん)
低年収にはワケがある。それが納得できるものかどうかは、そこで働く人たち自身が考えるべきことなのだろう。
※データは、PRESIDENT 2014年4月14日号掲載時のものです
(PIXTA=写真)