安倍氏はあと4年、総理をやりたい
生活の党の小沢一郎代表の影響力が強い岩手県は、前回総選挙でも2区の鈴木俊一氏以外の自民党候補が野党に敗北。今回も同じ結果になりそうだ。
原発事故があった福島県も、3区の民主党の玄葉光一郎元外相が前回と同様、圧勝。自民党は5区でも苦戦だ。
「新潟県も厳しい。楽勝は田中真紀子元外相が出馬しなかった5区だけで、他の5選挙区はいずれも民主党と激戦になっていて、最後まで、どちらが勝つかわからない」(前出選挙担当記者)
民主党の牙城だった愛知県は前回、自民党が勢力を広げたが、今回は2区を除き、いずれも激戦。2区は前回同様、民主党の古川元久元国家戦略担当相に大差をつけられている。
東京、大阪はどうか。「東京1区の民主党の海江田万里代表は前回、自民党新人に敗れたが、今回も大苦戦。3区の自民党の石原宏高も民主現職と激戦を演じ、18区は自民党現職に前回敗れた菅直人元首相が接戦。大阪は維新の橋下大阪市長が立候補を見送ったが、7選挙区ほどで当選の見込み。
もっとも維新の党(結いの党と合併)全体では改選前42議席から半減の見込み。維新から分かれた次世代の党も当選は2~3人。解党したみんなの党は元代表の浅尾慶一郎、渡辺喜美以外は全滅でしょう。全体では自民党が改選前から微減して280台後半、民主党は20数議席増の80議席弱だろうが、それでも衆院過半数(241)の3分の1にすぎない。選挙後も与野党の勢力図に変化はない」(同前)。
先の伊藤惇夫氏は「安倍氏は、あと4年、総理をやりたいがために解散・総選挙を行った。個利個略がすぎる」と苦言を呈す。これでは選挙が盛り上がらないのも当然か。
(時事通信フォト=写真)