多忙な師走の中、「大義ない」「盛り上がらない」と散々な総選挙。投票率についても、低調との観測ばかりだ。(時事通信フォト=写真)

「2年前の総選挙は227の小選挙区で野党候補がバッティングし、野党乱立で自民党が漁夫の利を得て大勝しました。今回、野党は前回の反省を踏まえて候補者調整を進めていて、野党の競合区は60数選挙区まで縮小しており、小選挙区では、野党が少し議席を伸ばすのは確実です。

一方、比例代表区では自民党の議席が増えそう。前回、民主党と日本維新の会の比例区の得票率を足すと自民党のそれを上回ったが、野党が内紛と分裂を繰り返し、無党派票の政治的受け皿となりえていない。総選挙の結果は、無党派層が投票に行くかどうかにかかっています」

12月14日投開票の総選挙の見通しについて、政治アナリストの伊藤惇夫氏はそう話す。

全国紙の選挙担当記者はこう話す。

「安倍晋三首相が衆院を解散した直後、自民党内には小選挙区でかなり議席を減らし、改選時に比べ20議席ほど減らすという見方が強かったが、野党の内紛続きで無党派層の関心が薄れ、投票率は前回より低くなるのが確実です。投票率が下がると、いわゆる“杭の理論”により与党有利になります」

「杭の理論」では後援会など組織力と投票率を池の杭と水位に例える。水位が高い(投票率が高い)と、杭は水面下で見えないが水位が下がると姿を現す。同様に無党派層の参加で投票率が上がると組織力のない党でも当選できるが、低投票率だと自公共といった組織型政党が有利になるわけだ。

「しかも前回、比例区の得票率2位だった日本維新の会が分裂、さらに、みんなの党が解党したことで両党の比例獲得票が大幅に減る。その分を自民党、民主党、共産党で分け合う見込みです。このため小選挙区で自民党がいくつか取りこぼしても、比例区で議席を増やすので、自民党の議席は改選前とほとんど変わらない」(前出選挙担当記者)

自民党が小選挙区で苦戦しているところを見ると、最も厳しいのが沖縄県。米軍普天間基地移設問題が争点の沖縄県知事選では自民党は完敗。総選挙でも4選挙区中、3選挙区で野党に敗北しそうだ。

「前回は1、3、4区で野党に勝ったが今回は4区以外は自民敗北の見通し」(全国紙政治部長経験者)

前回、自民党が完勝した北海道も「1、3、4区で民主党に負けそうだ。前回、共倒れした民主党と新党大地が選挙協力に成功したことが大きい」(同前)。