【C】昔いた会社の営業のおばさん、コピー機を修理しにきた人に向かって超怒鳴っていた。「早くしてくださいよ!」って。
【A】あと、バイトの電話の対応が悪いので「あいつ死ねばいい」みたいなことを呻くようにつぶやくとか。
【C】なにそれ、呪っているの?
【A】女はエキセントリックだと、わかってはいるけれど、実際それを見ると嫌だよね。
【B】ドン引きますね。なんか、自分を客観的に見られていないのが、すごく感じられて。でも、それが更年期のおばちゃんだったら、いずれ私もなるのかなとか、憎み切れないというか。
【A】確かに、そう、明日はわが身というのがいろいろ……。
【B】明日はわが身的なね。「嫌ね、最低」とか言えないのが、ホルモンマジックなんですよ。
【A】確かにホルモンはね。
【B】そう、若いときは「ああはなりたくない」って思ってた。でも30超えて、体が変わってくると、あのおばちゃんとかが怒鳴っていた、あれはホルモンの仕業なのねって思うようになった。明日はわが身。50になったときに、大塚商会の人にブチキレないという保証はなにもないんですよ。
【C】心配になってきた。今、超心配になってきた。
成功失敗よりも、努力したかどうかに女は敏感である
心理学者 植木理恵さんが分析「知らなきゃ損!女が女を嫌うココロの構造」
女は、努力に見合った評価を得ているか。努力していないくせに得してないか。心理学用語で随伴性というのですが、ここがおかしい人が嫌われます。「努力してねーくせに、かわいいだけで、なんだ、てめえ」みたいに。これがポイントの2。
逆に、努力してもうまくいかないというのも随伴性が伴っていません。だから「頑張っているのに、彼女」と応援したくなる。女は苦労していることに対しポジティブです。下のように「苦労した、してない」と、その結果が「成功、失敗」というマトリックスを作ると、男性は苦労してようがしていまいが、成功者は好かれ、ストレートにリスペクトされます。一方、女は成功失敗ではなく、まず「あいつは苦労したか」を重視しますから、男女の評価が大きく異なることがあるのがわかります。
植木理恵(うえき・りえ)
1975年、大分県生まれ。慶應義塾大学非常勤講師、臨床心理士として都内総合病院心療内科に勤務。『ウツになりたいという病』ほか著作も多数。