「何のために政治家になったのか」考えるべき時
【塩田】この先、来年4月に統一地方選挙がありますが、安倍首相はその後の6~7月頃に解散・総選挙に打って出るかもしれません。総選挙の時期の選択と大きく関わるのが、今年暮れに安倍首相が行うことになっている消費税率の再引き上げ実施の判断です。
【細野】消費税については、もう一度われわれが何のために政治家になったのか、野党になった今こそ考えるべきだと思っています。私が大事にしている言葉の一つが「未来への責任」です。自分の子どもの世代に借金を残して、国が滅んでいくようなことは絶対にしたくありません。それを考えると、消費税増税は基本的に避けられません。そこはしっかり基本に据えるべきだと思います。
野田内閣が消費税増税を決めた時期、東日本大震災の復興に関わっていたので、「なぜこの時期に増税なのか」という思いは若干ありましたが、財政の問題と将来の日本を考えると、やむを得ないと思いました。その気持ちは変わっていません。税率10%への引き上げそのものを白紙撤回することはできませんが、来年10月実施というタイミングがどうかということは考えなければならないですね。
【塩田】安倍内閣が来年10月からの引き上げ実施の判断を行うなら、総選挙は再増税の実施前、9月の自民党総裁選を控えた来年夏が有力になります。実施を見送って1年~1年半の引き上げ延期を決断するなら、総選挙は来年の10~12月の可能性が高くなります。
【細野】次期総選挙との関係で損か得かだけ考えれば、消費税率は上げたくないと思います。予算委員会の議論を聞いていますと、少し首をかしげたくなることがあります。安倍首相は本当にリフレ派で、金融緩和をやって円安に持っていけば、それだけで税収は上がって、景気がよくなると思っているのでは、と感じることがありますが、そんなことはあり得ないと思います。一時的に景気を浮揚させるだけでなく、規制改革も含めて根本的に対策を打たなければなりません。景気浮揚は一時的なものとわかっているならいいけど、そうではないように感じることがあります。