教育が競争力格差を生んでいる

【田中】あと、日米の違いを感じるのは教育面です。アメリカの優秀な方は、日本の一般的な5教科での基礎学力でみる優秀さとは違いますすよね。基礎学力だけをみれば、日本人はけっこうレベルが高いと思うのです。

一方で、ハーバード大学でMBAを取ったアメリカ人が、すべての科目において日本人より優れているかというと、必ずしもそうではない。アメリカは、強いところ、そして専門性を伸ばす社会なのですね。

「JINS MEME」を試用する窪田CEO。

【窪田】その通りです。マネジメントのメンバーであっても、単純な数字の計算ができない人はいますからね。自分は自分の専門性に特化して、それ以外の事はそれを専門にする人に任せると。ある意味で分業ですよね。

日本は専門外のことでもある程度はこなせるよう平均的に優れている人を出すのがすごくうまい。それがある意味日本の国力につながっている部分もあると思いますよ。オペレーション上、ある一定のレベルの能力は担保されているから、次から次へと大学の新卒を採用すれば、そんなに当たりはずれがないわけですよね。ものすごくそこはクオリティがコントロールされていますよね。突出した人もいない代わりに、すごく平均値は高い。その反面、ボラティリティが少ないですよね。

【田中】総合力という観点で、いろいろなことを幅広く、かつ、全体にやるのは日本のよさですよね。その代わり、みんな平均的になってしまいますが。そして平均的であるがために、「普通の人間」とはこういうものだと無意識に浸透してしまうのでしょうね。