インテル社長 江田麻季子氏

半導体メーカーであるインテル日本法人の社長に、初の女性社長が昨年誕生した。技術志向の強いインテルに、マーケティング部門出身の社長が就任するのも初めてだ。

「私のような異物が入ることで、イノベーションが起こりやすい環境ができたのではないでしょうか」と、社長の江田麻季子は笑う。

とはいえ、インテルではすでに13年以上の経験がある。2000年にマーケットリサーチ・マネージャーとしてインテルに入社。マーケティング本部本部長を務めた後、インテル セミコンダクターのアジア・パシフィック地域統括マーケティング&コンシューマーセールス担当ディレクターを務め、26カ国20拠点の組織を束ねた。その実績が評価されて、日本法人社長に就いたのが13年10月。インテルという会社を知り尽くした人物でもある。

大学では社会学を専攻。高校時代から社会学を学びたいと考えていた。

「心理学が人を対象にした学問であるのに対して、社会学は人と人が重なった環境での学問。家族という単位から、企業や組織、国という単位までの大きな広がりがあり、さらに、統計手法を用いる科学的分析と、歴史や文化という定性的な要素を組み合わせるところに面白みを感じました」と、その理由を述べる。

学んだ統計学の知識を切り札に、米ペンシルべニア大学ヘルスシステムに就職。仕事を通じて学んだのは順応性だという。

「米国では、最初から一人前に扱われ、順応していかなくてはならない。若いから、あるいは女性だからということはまったく通用しない世界がありました」