基礎断熱は本当に必要か?

図を拡大
建売住宅では「基礎断熱」に要注意

最近、よく問題になるのが基礎断熱工法だ。夏場に基礎部分のコンクリートの温度が低いままだと、そこに夏期結露が生じ、家の中の床に近いところの温度が低くなって相対湿度が上昇し、革製品や布製品がカビたりするという被害が出る。この工法については施工業者も問題を把握していないケースが多い。冷暖房効率がいい「魔法瓶のような構造」といわれれば、惹かれてしまうのは人情。だが、基礎断熱については、やらないほうがいいと思ってほしい。

もともと新築住宅の売り手は、「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」に基づき、住宅の主要構造部分の瑕疵について、10年間の瑕疵担保責任を負うこととされている。さらに2008年より施行された「瑕疵担保履行法(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律)」により、新築住宅の売り手は瑕疵担保責任を履行するための資力の確保を義務付けられている。

いくら法律があっても、業者が倒産してしまったら、買い手が補償を受けられるわけではない。検査会社等を活用して、瑕疵のない家を手にすることが何よりである。

日本建築検査研究所代表取締役・一級建築士 岩山健一
1956年生まれ。欠陥住宅問題をいち早く正面から捉え、消費者側の代弁者として現在まで数多くの紛争解決に携わる。
(構成=久保田正志)
【関連記事】
ズバリ! マイホームの頭金はいくら必要?
新築、中古、賃貸……利点、難点は?
激安で購入したが欠陥住宅&業者倒産!
本当に頼りになる弁護士の探し方・見抜き方
世代を超えて住み続けられる「200年住宅」とは