孫正義氏がこれまでに経験したタフな場面をケーススタディの形で完全再現。
あなたは正しい判断を下せるだろうか。

Q. 事業拡大のためテレビ局の株を買ったら猛反発

1996年、デジタル衛星放送参入のため、ジョイベンを設立。コンテンツ拡充のため、テレビ朝日株を買い取る。ところが相手から強烈な拒絶反応を示されてしまう。A案は、気にせず株を買い進める。B案は、それほど嫌がられるならと諦めて売却する。
【A】株を買い進める【B】売却する(正答率70%)

以前の設問では、不振のジョイントベンチャー(JV)事業をやめたときに、組んだパートナーと損失をどう分けるか、というテーマでした(http://president.jp/articles/-/12655)。今回は、同じようにジョイベンが頓挫しそうなケースで、事業を継続するか、解消するかという問題です。

ソフトバンクは、解消しました。

孫正義氏

1999年、われわれは米ナスダックとジョイベンに合意し、翌年ナスダック・ジャパン(現在の「JASDAQ」市場)を開設しました。従来の日本の証券市場の官僚主義を打破し、日本のベンチャーを育成していこう。そんな思いを込めたプロジェクトでしたが、またしても計画どおりには進んでくれません。

それでも、諦めなかった。にもかかわらず、パートナーから「やめたい」と。「やろうよ」と説得する手もあったでしょう。

でも、結論は「しゃあない。やめたくはないし、非難されるのはわかっているけれど、やめよう」。僕の気持ちがそう固まったのは、時間と労力をインターネットやブロードバンドにつぎ込みたかったからです。