しかし、ここで疑問が浮かぶ。寄附とは本来、無償の行為であるはず。見返りとしてカニやお肉をもらったら、もはや寄附ではなく物品の売買だろう。にもかかわらず寄附とみなして優遇するのは無理がないだろうか。公認会計士・税理士の小澤善哉氏は次のように解説する。

「神社でお守りを買っても消費税はかかりませんが、あれは商取引ではなく、宗教法人への寄附とそのお礼だからです。ふるさと納税も同じ。カニやお肉といった特典は、支払われたお金の対価ではなく、寄附という善意に対するお礼です」

ただ、善意で寄附しているのか、特典欲しさにお金を出しているのか、人の内面はわからない。寄附か商取引か、もっと明確な線引きはないのだろうか。

「まず受け取ったお金が公益的な事業に使われているかどうかが重要です。また、額も判断材料の1つ。理想はタダの特典です。ふるさと納税ではないですが、東京マラソンで指定の団体に10万円以上寄附すると、チャリティランナーとして走る権利を得られます。出場する権利自体はもともと抽選で無料。これは確実に寄附といえます」

額が関係するなら、高額な特典をつけている自治体はどうなのか。小澤氏の見解はこうだ。

「地域の特産品をPRする大義名分があるので、単純に『高価な食材だから寄附ではない』と言い切れません。ただ、極端に高額な特典は、グレーゾーンでも黒に近いといえます。エスカレートすると、総務省あたりが動き出すかもしれませんね」

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(図版作成=ライヴ・アート)