年金はいくらもらえるのか。
自営業者が加入する国民年金(老齢基礎年金)は40年間加入した場合に受け取れる満額が78万6500円(12年度)。自営業者の妻は専業主婦でも国民年金に加入義務があるので夫婦で157万3000円、月額では約13万円になる。
厚生年金は現役時代の年収によって異なるが、厚労省では夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額を月額23万940円(12年度)としている。試算の前提は「夫が平均的収入(平均標準報酬36万円)で40年間就業し、妻がその期間すべて専業主婦であった世帯が年金を受け取り始める場合の給付水準」となっており現状にそぐわない部分があるが、とりあえず会社員の年金は月額約23万円と覚えておこう。
支出はどうか。「家計調査報告」(総務省・11年度)では、世帯主が60歳以上の無職世帯(夫婦のみ)の消費支出が約24万円となっている。30年間では8640万円だ。23万円の年金から税や社会保険料を引いた手取りを20万円とすると、毎月約4万円の赤字が生じ、30年間で1440万円の貯蓄が必要になる。ここにリフォーム代や葬儀代など老後の備えと、旅行代などを上乗せするとどうなるだろう。
ゆとりある生活をするためには36万6000円は欲しい(生命保険文化センター「生活保障に関する調査」10年度)と多くの人が答えている。そうなると30年間で1億3000万円、年金とは別に5976万円が必要になる。
以上は平均的な目安だが、表を活用して自分の状況に合わせた必要額を出すことをおすすめする。
横川由理
FPエージェンシー代表。お金の知識を広めることをライフワークとし、さまざまな講座や執筆で活躍中。著書に『老後にいくら必要か?』など。