年々人口が減少の一途を辿る日本にいると、「マイナス成長」が当たり前のように思えてくる。しかしながら、世界に目を転じれば、「成長のポテンシャル」を持つ国々が溢れている。タイで、ビジネスチャンスを見つけた人たちを追ってみた。

日本人を引き寄せるタイの磁力

2013年11月22日、23日。30度を超える暑さの中、タイの首都バンコク中心部に位置するインペリアルクイーンズパークホテルは日本人で溢れかえった。彼ら彼女たちが向かった先は、年に1度、和僑(海外で起業した日本人)が一堂に会する和僑世界大会の会場だ。アジアのさまざまな国から集まった和僑の数は約700人におよび、期間中に実施された講演や物産展、大交流パーティーなどに参加したバイヤーや一般入場者も含めると動員数は1000人を超えた。

深センや上海など、持ち回りで開催されてきた和僑世界大会も今回で5回目。過去最高の数字を打ち立てた大イベントが物語るのは、海外で沸き立つ日本人の起業熱の高まりと同時に、タイという国の素晴らしいポテンシャルだ。