中小企業でベアを受けたのはたった1割

【会社単位】
 ベアあり*…9%
定昇のみ**…85%
 昇給なし…6%
 減給…0%
  *賃金の一律の底上げ
  **1年間勤務したことによる昇給

【従業員単位】
 ベアあり…14%
定昇のみ…72%
 昇給なし…13%
 減給…1%

このように実際にベアを受けたのは、従業員のせいぜい1割ちょっとにすぎないことがわかりました。1割ちょっとです。定期昇給のみが大多数で、これでは景気回復の恩恵が浸透しているとは到底言えません。

また、昇給額も調べました。

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基本給 昇給の実態【一般男子 30歳代】

昇給額の相場は、「中位数」という基準で判断しました。中位数とは、上から順番に並べた場合のど真ん中の人のことを意味します。それは「平均値」とは少し違います。

「昇給の平均値」を出す場合は、一般的に「昇給のあった人の平均値」を出しますので、そこには「昇給のなかった人」は除外されてしまいます。これに対して中位数は「昇給がなかった人」まで含めた分布図を作るので、文字通りど真ん中の人のことを指すわけです。

最初に「男性」全体の昇給(ベア+定昇)を見てみると中位数は3700円(1.6%の賃上げ)でした。ただし、分布図を見てみると減給の人が2%いて、昇給が0円だった人も13%いたのがわかります。

次に、この男性の昇給を「年代別」に見てみましょう。

すると、大きな差が生じていることがわかります。10代・20代の昇給の中位数は4600円(2.2%)でした。30代のそれも4500円と健闘しました。