大きく儲けた銘柄は、第一三共やスギホールディングスなどだ。銘柄は、好業績な銘柄や、ニュースが出て動きそうな銘柄をピックアップしておき、あらかじめ下値と上値の目標を決めておく。下値に近づいたら買い、買値から2~3割上昇したら、利益確定する。ただし、「市場に勢いがあって、まだまだ上昇しそうなときは、持ち続ける」(浅田さん)こともあるとか。

12年末からは、アベノミクス効果で株価が急上昇したこともあり、株価が上がり続ける間は保有する作戦に変更。衆議院解散直後から優待銘柄を中心に買い始め、13年1月に入ってからは円安が追い風になる輸出関連銘柄も買い進めた。

その結果、日本株の評価額はもっとも増えたときで、前年比約2.3倍に。総資産も2260万円から2800万円に増えた。なお、日本株は13年5月までに3分の2を利益確定している。儲けで自動車を買ったが、5月下旬以降の株価下落局面を受けて、節約&貧乏暮らしに戻ったとか。

たとえば、浅田さんは週末には翌週に飲み食いする食品をまとめ買いし、支出を極力抑えている。昼食は値段の安い社員食堂を利用し、仕事で外出するときには、株主優待が使える店で食事をする。友人たちと飲みにいくときも、もちろん株主優待が使える店を選ぶ。目標は「週5日お金を使わないこと」。実家で家族と同居していることもあって、目標はほぼ達成でき、月額21万円の手取りのうち、17万円を貯蓄と投資に回しているという。

この相場で儲けた投資家は、単に運がよかったのではない。日頃から投資資金をつくる努力をするとともに、相場分析力も養ったからこそ、成果を挙げられたのだ。

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