とはいえ、好調な相場とは対照的に、現実の生活は厳しさを増す一方だとか。給料は増えるどころか、昨年の業績が厳しかったこともあり大幅ダウン。年収ベースでは500万円を割り込んだという。

「給料が減ったからといって、いきなり生活レベルを落とすのは至難の業。幸い資産が増えていたので、まずは含み益が膨らんでいたロシア株を一部売却。その次は、あまりに急上昇しすぎて、どこかで調整がくるのではないかと不安になった日本株を一部売却し、生活費の補填に充てた。金額にすると50万円以上。本来なら、次の投資資金に回したいのに……」

横山さんは、こう言ってため息をつく。QE3やアベノミクスの恩恵が庶民の給料にまで及ぶには時間がかかるようだ。

外貨を買うべく節約し資産が3割増加

「資産の約半分は外貨建て商品」と話す山田美子さん(仮名・40歳・小売業)は、急激な円安で、保有する外債や外貨建てMMFの円建て評価額が3割アップした。

「1年前の総資産は約2000万円で、米ドルと豪ドルが円換算で500万円ずつくらいだった。金利が高ければ外債を買いたいところだけれど、あまりに低金利なので、ここ1~2年は外貨建てMMFが中心。この円高は、外貨を買うチャンスだと思い、できるだけ節約して投資資金をつくり、米ドル1ドル=80円、豪ドルも1豪ドル=80円を切ったところで、少しずつ買い増しした」(山田さん)

12年11月以降、急激に円安が進んだことで、外貨建て資産は円換算すると300万円近くも増えたのだ。

「こんなことになるのなら、MMFよりコストの安いFXを上手に使って、もっと外貨投資をしておけばよかった。投資にタラレバはないし、いまとなっては、後の祭りだけれど……」(山田さん)