「この本は、『新しい資本主義はこうあるべきだ』という私のマニフェスト(宣言)です。21世紀初頭に、資本主義の姿を変える。ドン・キホーテみたいだと思われるかもしれませんが、それが私のライフワークのひとつ。バタフライ効果で共感のネットワークが広がれば、世界を変えることだって不可能ではありません」。並々ならぬ思い入れを語るのは、田坂広志さんである。50冊を超える著書を持つ田坂さんにとっても、まさに渾身の一冊といえそうだ。「経済危機を引き起こしたグローバル資本主義に対して、世界中の人たちが『やっぱり、あれはおかしかったよね』と思っている。この機を逃してはいけないと、世の中に一石を投じる意味で書き上げました」
田坂広志●たさか・ひろし 1951年生まれ。東京大学大学院修了。工学博士。90年日本総合研究所の設立に参画。現在、同研究所フェロー。2000年より多摩大学大学院教授。同年、ソフィアバンク、03年、社会起業家フォーラムを設立。08年世界経済フォーラムの国際アドバイザリー・ボードのメンバーに選ばれる。
「市場原理主義」「強欲資本主義」などとグローバル資本主義を批判することはたやすいが、その代案を提示してくれる論者は意外に少ない。景気対策はいわば対症療法。ウォール街に活気が戻っても、グローバル資本主義が内包する根本問題が消えるわけではない。そこに危惧を感じているという。
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(尾関裕士=撮影)


